緊急地震速報などの “緊急速報メール(エリアメールなど)” は、NTTドコモを始めauやソフトバンクなどのキャリアだけでなく、格安SIM(MVNO)やSIMフリースマートフォンの利用ユーザーでも受信することができるようになっています。しかし、意外と誤解されていることが多いので、その性質をしっかりと理解しておきましょう。
緊急地震速報の仕組み
なぜ遅れて届くのか?
緊急地震速報とは、簡単に言えば「地震発生を可能な限り早く伝える」ことを目指した仕組みであり「地震の発生を “予知” や “予報” する」仕組みではありません。このため、よく話題になる「地震を感じてから緊急地震速報が鳴った(受信した)」と言うのは当然にありえてしまいます。
その仕組みは「地震がP波とS波に分かれている」ことを利用しています。P波とは「初期微動(Primary wave)」と呼ばれ大きな地震が来る前に『カタカタ』とする小さな揺れの事で、S波「主要動(Secondary wave)」と呼ばれP波の後に来る大きな揺れの事です。
P波とS波では、P波の方が地面を伝わるのが速いので、この違いを利用して「P波を感知した」時点でを緊急地震速報の発信が行われます。このため、震源地から遠ければ遠いほどP波とS波の間隔(時間)は大きくなり、緊急地震速報を受信してから地震を感じるまでの時間が長くなります。逆に震源地に近ければ近いほどP波とS波の間隔は小さいので、場合によっては「地震を感じてから緊急地震速報が鳴った(受信した)」と言うことがおこります。
鳴らないのはなぜ?
比較的大きな地震が発生したのに「緊急地震速報を受信しなかった」「緊急地震速報が鳴らなかった」と言う場合がありますが、緊急地震速報を発表するのには基準があり「最大震度が5弱以上と予想された」かつ「震度4以上が予想される地域」に発表が行われるとされています(ただし、単純では無いため一概には言えません)。
そのため、条件に当てはまらない地域では「緊急地震速報を受信しない」「緊急地震速報が鳴らない」と言ったことがおこります。ただ、緊急地震速報の対象エリアかどうかは「予想するしかない」ため、結果的に「震度4なのに鳴らなかった」や「震度3なのに鳴った」と言ったことがおきます。そのため、緊急地震速報が「鳴った」「鳴らなかった」に関わらず、情報収集を怠らないようにしましょう。
また、スマートフォンでは様々な条件によって受信できない場合があります。
スマホで受信するには?
緊急地震速報が発表された際に、NTTドコモを始めauやソフトバンクなどのキャリアは、自社の回線を通して緊急地震速報(緊急速報メール)を発信します。これは ETWS と呼ばれ、LTE(4G)通信で定められている標準の規格です。
緊急速報メールは、無差別に送信されるので各キャリアから回線を借り受けてサービスを提供している格安SIM(MVNO)の場合でも、同じように受信することができます。
しかし、受信した警報を「どう処理するか」は機種に依存するので、緊急地震速報(緊急警報)として「音を鳴らす」「画面にメッセージを表示する」かどうかは機種によって異なってしまいます。
iPhone
iOSがETWSに対応しているため、基本的には受信できる環境にあります。キャリア(NTTドコモやau、ソフトバンクなど)から購入しても、Apple Storeで購入しても同じ筐体を用いているので挙動に差はありません。

Androidスマホ
Android OSがETWSに対応しているため、基本的には受信できる環境にあります。Pixelシリーズなどはキャリア(NTTドコモやau、ソフトバンクなど)から購入しても、Googleストアで購入しても同じ筐体を用いているので挙動に差はありません。
ただ、キャリアの名前で販売されているスマートフォン(ドコモスマートフォンなど)は独自のサービス(エリアメールなど)として提供されている場合があるので注意が必要です。

