スマートフォンで文字を入力するためには専用のIME(日本語入力システム)が使われます。このIMEは、狭い小さな画面で全ての文字を入力する為に様々な工夫が施されています。Xperiaシリーズには専用IMEとして “POBox” が標準でインストールされているので、これを例として基本的な入力方法を紹介します。
POBoxとは?
AndroidスマートフォンであるXperiaシリーズに搭載されているIME(日本語入力システム)です。
スマートフォンから登場したように思われることが多いですが、その歴史は意外に長く “PDA” の時代から存在するアプリケーションです。
このPOBoxには2種類が存在しており、Xperia Z1までは “POBox Touch” がインストールされており、より新しい機種には “POBox Plus” がインストールされています。どちらのPOBoxも似たように操作できますが、多少の違いがあるので、今回はPOBox Plusを例とします。
参考 XperiaのIME『POBox Plus』の設定を見直してみた
文字を入力する前に
スマートフォンに搭載されているIMEには入力方法が複数用意されています。今回は、一般的に使われることが多いフリック入力を行うテンキー配列を使って説明します。
キーボードを表示させる手順
画面上に表示されるキーボードをソフトウェアキーボードと呼びます。このソフトウェアキーボードは、文字入力可能な入力欄(ブラウザの “URL欄” やメールの入力欄など)をタップすることで表示させることができます。
ソフトウェアキーボードが表示されると、入力欄に “|” が点滅して表示されます。この “|” が「ここに入力されます」と言う目印になります。また、キーボードの←キーや→キーをタップすることで “|” を動かすことも可能なので、文章の途中に文字を追加することもできます。
キー配列を切り替える手順
POBoxを始めとしたスマートフォン用IMEには、パソコンのキーボードと同じキー配列である “PCキー(QWERT配列)” と、従来型携帯電話(ガラケー)と同じキー配列でフリック入力を行う “テンキー” の2つがあります。
この2つのキー配列は、それぞれの左下にある あA1 をロングタップ(長押し)することで表示されるメニューより『テンキーに切り替え』または『PCキーに切り替え』をタップすれば切り替えることができます。
テンキーの種類を切り替える手順
POBoxで使用できるテンキーには “かな” を始め “英数字” と “数字” の3種類があります。これらの種類は、左下にある あA1 をタップすることで切り替わります。
文字の入力手順
フリック入力する
文字の入力にはフリック入力を使って行います。フリック入力とは、基本的にキーを『タップしたたまま』『上下左右にスワイプ』すれば、それに対応した文字が入力されます。文字とキーの対応についてはキーをロングタップ(長押し)すれば画面上に表示されるので、慣れないうちはゆっくりと操作すると良いでしょう。
また、従来型携帯電話(ガラケー)と同様に、キーを連続でタップすることで文字を入力することも可能です。例えば “ね” を入力したい場合には『な』を4回タップします。ただし、同じ行(ア行・カ行など)を連続で入力する際、連続でタップすると “い” や “き” などタップした分だけずれてしまうので、少し間を開けてタップします。
キーと文字の対応は法則があり、中央→左→上→右→下の順番で母音『a』『i』『u』『e』『o』が対応します。
文字を確定する
日本語入力では “ひらがな” で入力し、それを “漢字” に変換します。そのため、入力した直後は漢字へ変換が可能な未変換の状態となります。そのため、日本語での文字入力は “ひらがな” や “カタカナ” もしくは “漢字” のいずれかで確定をする必要があります。
この “未変換” と “確定” を見分ける方法は文字の背景にあり「背景に色が付いている(グレーなど)」や「アンダーラインが付いている」などの場合には未変換の状態になります。この未変換の状態を確定するためには 確定 をタップします。
未確定の状態で文字の入力を続けると、後述する漢字変換などがうまくできないので、慣れないうちは細かく確定をタップするようにしましょう。
漢字の入力
スマートフォンの操作に慣れていない人からのメールが “ひらがな” で送られてきたのを経験した人も多いでしょう。慣れない人には難しい入力が “漢字” です。漢字の入力は、基本的には “ひらがな” で読みを適切に入力すれば、予測変換が起動し画面上部に表示してくれます。
しかし、入力した文字に同音異義語(同じ読みだが違う漢字)がある場合には、適切に変換されない事があります。その場合、変換をタップすると文字単位に候補を表示してくれるので適切なものを選択します。
入力しにくい文字の入力手順
小書き文字を入力する
ひらがな・カタカナには、小さい文字(小文字) “ぁぃぅぇぉゕゖっゃゅょゎ” があります。これらは小書き文字もしくは捨て仮名と呼ばれています。これらの入力は、覚えてしまえば簡単ですが実は入力しにくい文字の1つです。
小書き文字を入力する場合には2ステップが必要で、小書き文字になりうる文字(例えば あ など)をタップしたのちに 小゛゜ をタップすると “ぁ” が入力されます。
記号の入力
スマートフォンで入力しにくい文字の1つが “記号” です。使用頻度の高い記号に関しては “英数字” から入力することもできますが、使用頻度の低い記号に関しては専用の入力モードが用意されているので使い分けられるようにすると良いでしょう。
キーボードから入力する
例えばキーボードを『英数字』に切り替えると、中央3列の左上.@-_キーと右下,.?!キーに記号が含まれています。そのため “@(アットマーク)” や “.(ドットorピリオド)” など入力頻度の高い記号は、通常の文字入力と同様に入力することができるようになっています。
記号モードで入力する
POBoxには『かな』『英数字』『数字』と組み合わせる形で『記号』が存在しています。キーボードの(ニコマーク)記と表示されたキーをタップすると記号モードに切り替わり記号を入力することができ、ロングタップ(長押し)すると広い画面で記号を選ぶことができるようになります。
変換して入力する
漢字変換と同じ要領で、変換して記号を入力することができます。例えば『かっこ』を変換すると変換候補にあらゆる括弧記号が表示されます。また、『きごう』を変換すれば使用頻度の高い記号が変換候補に表示されます。同様に『みぎ』『ひだり』『うえ』『した』のような矢印も変換可能です。
この他にも使用頻度が高く一般的な読みが存在する記号であれば、変換できることが多いので色々と試してみることをオススメします。
顔文字・絵文字を入力する手順
POBoxには絵文字や顔文字がプレインストールされているので『顔文字』や『絵文字』を選んで入力することができます。
入力の仕方は記号の時と同じで、キーボードの(ニコマーク)記と表示されたキーをタップ(もしくはロングタップ)すると記号モードに切り替わるので、『(^o^)』や『絵文字』をタップすれば一覧から選択することができます。
また、記号の時と同様に『かおもじ』を変換することで入力することもできます。
『ヴ』や『う゛』の入力手順
“クリスマス・イヴ” や “エヴァンゲリオン” などに使われる『ヴ』は入力の仕方が解らない代表的な文字でしょう。この “う” に濁点の文字を入力するにはうを入力した後に子゛゜キーを2回タップします。すると、『う』→『ぅ』→『ヴ』と変化します。また、『ヴ』は外国語を文字にする際に使用されるので、一般的にカタカナで表されます。そのため、ひらがなの『う』に濁点が付いた文字を1字で入力することはできません。ただし、2字であれば『う』+『だくてん(の変換)』で可能です。
このように1度だけでなく数回変化する文字もあるので、変換できないと諦めるのではなく、何度かタップして変化を確認すると良いでしょう。
参考 XperiaのPOBoxで文字入力しやすいよう『サイズ変更』する方法
参考 Xperiaの変換候補を削除する方法
参考 Xperiaの文字入力時に右下に表示されるアイコンを消す方法
参考 日本語入力システム『ATOK for Android』をXperiaのPOBox風にカスタムする方法