2018年08月にリリースされた “Android 9 Pie” も、対応(予定)機種が増えてきました。Pixel 3シリーズが日本国内で発売されることもあり、新機能などを調べてみました。
Android 9 Pieとは?
2018年08月にリリースされたAndroid OSのバージョン9です。
歴代のコードネームには “お菓子” の名前が付けられていましたが、Android 9も多分に漏れずPieと名づけられました。日本ではアップルパイなどが主流ですが、海外では甘くないパイもあるため違和感がある人も多いようです。また、表記に揺れがあり “Android 9 Pie” なのか “Android 9.0 Pie” なのかが曖昧になってしまっています。
Android OSはリリース直後より、Googleが提供するPixelシリーズ(旧Nexusシリーズ)へ配信されるのが最速でしたが、今回の “Android 9 Pie” に至っては、SIMフリースマートフォンであるEssential Phoneへのアップデート提供も早々と行われたのが印象的です。
日本国内の機種では、2018年冬から2019年春にかけて販売される機種において、Android 9 Pieを搭載した機種が多数発売されます。
アップデート対応機種は?
日本国内で発売済みの機種においても、Android 9 Pieへのアップデート対応機種が発表されています。
NTTドコモ
- Galaxy Note9 SC-01L
- Galaxy Feel2 SC-02L
- AQUOS sense2 SH-01L
- Xperia XZ2 SO-03K
- Xperia XZ2 Premium SO-04K
- Xperia XZ2 Compact SO-05K
- Galaxy S9 SC-02K
- Galaxy S9+ SC-03K
- AQUOS R2 SH-03K
- arrows Be F-04K
- LG style L-03K
- HUAWEI P20 Pro HW-01K
- dtab Compact d-02K
- Xperia XZ1 SO-01K
- Xperia XZ1 Compact SO-02K
- Galaxy Note8 SC-01K
- AQUOS sense SH-01K
- arrows NX F-01K
- V30+ L-01K
- arrows Tab F-02K
- Xperia XZ Premium SO-04J
- Galaxy S8 SC-02J
- Galaxy S8+ SC-03J
- AQUOS R SH-03J
au
- Xperia XZ1 SOV36
- Xperia XZ2 SOV37
- Xperia XZ2 Premium SOV38
- Galaxy S8+ SCV35
- Galaxy S8 SCV36
- Galaxy Note8 SCV37
- Galaxy S9 SCV38
- Galaxy S9+ SCV39
- Galaxy Note9 SCV40
- AQUOS R SHV39
- AQUOS sense SHV40
- AQUOS R compact SHV41
- AQUOS R2 SHV42
- AQUOS sense2 SHV43
- HTC U11 HTV33
- isai V30+ LGV35
- LG it LGV36
- Qua phone QZ
- HUAWEI P20 lite HWV32
新機能は?
Android 9 PieではAIを使った機能が増えており、スマートな操作が可能になっています。
ステータスバーの変更
Android 8.0 Oreoまでは右側に表示されていた時間の表示が左側へ変更されました。これは、ノッチへの対応によるものと思われます。
時計の表示を左側へ戻すことはできないようですが、システムUI調整ツールを使って消すことはできるので、違和感がある場合には設定してみると良いでしょう。
ナビゲーションバーの変更
これまでのAndroidスマートフォンでは、画面の下部に “ホームアイコン(〇)” を始め “戻るアイコン(△)” や “マルチタスクアイコン(□)” が表示されていました。これらはナビゲーションバーと呼ばれ、ある程度の幅をもって常に表示されていました(フルスクリーン表示を除く)が、Android 9 Pieでは、細長いピル型になりました。
マルチタスクボタンの廃止
ナビゲーションバーに表示されている “□(マルチタスクボタン/オーバービューボタン)” は廃止されます。
これまでは、マルチタスクボタン(オーバービューボタン)をタップすることで “最近使ったアプリ(アプリ履歴/オーバービュー画面)” を閲覧することができましたが、Android 9 Pieでは「ホーム画面を上にスワイプ」することで “最近使ったアプリ” を表示するようになります。
また、もう一度スワイプすることでアプリ一覧(ドロワー/ドロアー)が表示されるようになります。
このように、Android 9 Pieではナビゲーションバーなどによる操作よりも、ジェスチャーによる操作が増えています。
参考 Android 9 Pieにおいて大きく変わった基本の操作方法
スクリーンの回転制御
スマートフォンの画面は、スマートフォン本体の向きに応じて自動回転するようになっていますが、回転して欲しくない場合には自動回転をロックすることができます。
このため、普段から自動回転をロックしている人も多いでしょうが、Android 9 Pieではロックされていてもスマートフォン本体の向きが変わったことを感知して回転ボタンが表示され回転させるか否かを選択できるようになります。
この回転ボタンは、前述したマルチタスクボタン(オーバービューボタン)の場所に表示されます。
参考 Androidスマホ本体の向きに応じて自動回転する画面を制御する方法
電源ボタンでスクリーンショット
Androidスマートフォンで “スクリーンショット” を撮影する手段は “ボリュームダウンキー” と “電源ボタン” の同時押しが一般的ですが、Android 9 Pieでは電源ボタンの長押しで表示される電源メニューから撮影することができるようになります。
これまでにも、同様の機能をメーカーが独自に実装していた機種もありましたが、これがAndroid OSの標準機能となります。
明るさの自動調節
画面の明るさは周囲の明るさに応じて適宜に変更をしないと画面が見えにくいですが、Android 9 Pieでは画面の明るさが自動調節されるようになります。また、自動調節がうまくいかずに手動で調節しても、それを学習し次回以降に反映されるので、使えば使うほど自分好みの明るさに自動調節されるようになります。
これも、同様の機能をメーカーが独自に実装している場合が多いですが、これがAndroid OSの標準機能となります。
通知のミュート
メールの着信時などアプリからのお知らせが “通知” されることがありますが、中には特に重要では無い内容を頻繁に通知してくる粗悪なアプリもあります。
Android 9 Pieでは、繰り返し行われる通知を何度も無視した場合に、それを学習しミュートするか否かを問うようになり、不要と判断すれば通知が表示されないようにすることが可能です。
バッテリー消費を学習
アプリの使用頻度を学習することで重要度を判別し、低いと判断されたアプリはバックグラウンドへ移行しバッテリー消費が少なくなります。
マナーモードがアップデート
通知を受け取ると画面が明るくなったりステータスバーに表示されたりしますが、これによって集中が途切れたりすることがあるでしょう。
Android 9 Pieのマナーモードでは音を消すだけでなく、ポップアップ通知などをオフにすることも可能になります。
ナイトモード
アプリなどでは搭載されることが増えてきたナイトモードが、Android OSの標準機能となります。
あらかじめ寝る時間を設定しておくと、その時間が近づくにつれて画面表示が変更され、ブルーライトフィルターがオンになったり、マナーモードがオンになったりして睡眠しやすくしてくれます。
もちろん、これらオンになった機能は起床時間が来れば自動的にオフになります。
App Actions
Android 9 Pieにおける一番の新機能かもしれない機能がApp Actionsです。
この機能は、アプリの機能をアプリを開かずに使うことができるようになるショートカット機能で、ユーザーの行いたい機能を予測して表示されるようになります。
Digital Wellbeing
スマートフォンの機能やアプリを「どれくらい使っているのか?」を見直すことのできる機能で、端末の使用頻度を制限したり、通知など端末による妨げを制限することができるようになります。
イースターエッグ
Android OSには、Android 4.4 KitKatからイースターエッグが隠されており、簡単な(でも難しい)ゲームなどが行えました。Android 9 Pieでは、ペイントアプリが搭載されており、お絵かきで遊ぶことができるようです。
参考 Android 9 Pieのイースターエッグを開く方法
Androidスマートフォンは、各メーカーによってカスタマイズされてリリースされるため、全ての機種で全ての機能が使えるとは限りません。より多くの機能を体験したい場合には、PixelシリーズなどPure Android OSを搭載した機種を使うのが良いでしょう。
